大きな関心を集めたオープンオートメーション
30.12.2021
昨年11月に開催された「プロダクトロニカ 2021」にASMも出展。テクにロジーリーダーとして会場で、オンエアで、そしてオンデマンドで、存在感を発揮し、来場者から好評をいただきました。会場のブースでは、統合型スマートファクトリーのための革新的なオープンオートメーションのコンセプトが注目を集めていました。これは、材料搬送用の自律型搬送ロボット(AIV)とPCB用の自動ローディング・アンローディングシステムを備えたSMTラインという形で実施されました。
安全面と衛生面に最新の注意が図られた世界的な展示館にもかかわらず、来場者数は例年に比べてはるかに少ないものでした。しかし、お客様との商談では興味深い話から具体的なプロジェクトの問い合わせまで、実に有意義なものでした。また、ASMのプロダクトロニカスタジオからのライブストリームや、豊富なメディアライブラリーを備えたバーチャルブースには多くの視聴者が集まり、会場に来られなかった多くの来場者がASMのオンラインサービスを有効に活用しているという印象を受けました。特にメディアライブラリーは、会期終了後もたくさんのアクセスをいただいており、今後はオンサイトとオンラインによるハイブリッドイベントが例外ではなく主流になる可能性があることを示しています。
オープンオートメーションへのこだわり
ASMは柔軟性に欠け、高価になりがちな完全に自動化された生産現場の代わりとなるオープンオートメーションを開発しました。ASMのモジュール式ソリューションは、継ぎ目のないマシン間通信とサードパーティ製ソリューションや既存システムとの統合が可能であるため、電子機器メーカーは自動化への移行の度合いやスピードに合わせ、最適な方法を選択することができます。オープンオートメーションは、実現可能なプロセスの最適化や、品質や効率の向上を実現するツールとして、エレクトロニクスメーカーが必要とする柔軟性を提供します。
オープンオートメーションを実演するためにブースに展示されたラインは、最新世代のDEK TQステンシル印刷機、ASM ProcessLens 5DインラインSPIシステム、新しいASM Automated Waste Disposal System(自動廃棄物処理システム)を搭載したSIPLACE SX実装機、オートメーションパートナーであるViscom社のAOIシステム、Nutek社の基板ハンドリングシステム、そしてASMのソフトウェアソリューションで構成いたしました。
プロダクトロニカでの実演
1日に数回行われた実演では、CTSオムロンのAIVが回路基板を搬送し、Nutekローダーに引き渡すラインでの自動PCBローディングなど、様々なモジュール式オートメーションのアプリケーションをライブで見ることができ、自社のラインへの適合性や後付けできるかどうかをチェックいただきました。
特殊、上位システムから提供された製品IDに基づいて、必要なコンベア幅を自動的に調整も行いました。また、マシン間通信を強化するための標準プロトコルであるIPC-Hermesにより、製品IDとその他の製造プロセスに関連する情報をライン上のすべてのマシンに展開しています。
また、ASMは「投資効率を最大化する」という理念のもと、DEK TQ印刷機にて、人とマシンの効率的な分業を実演しました。このアプリケーションでは、ASM Works コマンドセンターにより、AIVが新しいステンシルを搬送したというメッセージをオペレーターのモバイルデバイスに送信し、オペレーターはその情報をもとにステンシルを手動で交換します。
マシンとAIV間の継ぎ目のない通信
印刷機で実現したことは、実装機にも応用できます。会期中、ユーロテックのAIVは、セットアップ準備エリアから交換台車を搬送し、SIPLACE SXで台車を交換、古い台車をセットアップ準備エリアに戻していました。AIVと高性能の実装機「SIPLACE SX」との継ぎ目のない通信により、製品の入れ替えがわずか数秒で自動的に行われます。ASM自動廃棄物処理システムは、実装機の下に簡単に設置することができ、廃棄物を自動的に運び出すことができます。
材料の保管も自動化できます。Knapp社のAIVは、ASMマテリアルタワーから部品のリールを搬送し、セットアップ準備エリアに運びます。作業のスケジューリングを最適化するために、すべてのAIVの調整と制御を新しいASMファクトリーオートメーションソフトウェアモジュールで管理することができます。
継続的な品質管理と最適化
ラインの最後には、自動化パートナーであるViscom社のAOIシステムが、実装済み基板をチェックしました。エラーを迅速に検出するだけでなく、分析および同様な問題発生を防ぐべく保存されます。ASM Process EngineはIPC-CFXをベースに新たに開発したインターフェースを介してAOIデータを解析し、ライン全体の他のプロセス情報との相関を取りました。ASM Process Engineは、ASM Worksスマートファクトリーパッケージの一部です。すべてのシステムを相互に接続するこのスマートなソフトウェアソリューションは、オープンオートメーションに不可欠な要素であり、統合スマートファクトリーの基盤となるものです。ASM WorksとASM ファクトリーオートメーションを組み合わせることで、オープンインターフェースを介したサードパーティ製マシンとの統合、制御、調整も可能になります。これは、自社の機器でしか自動化を実現できないプロバイダーとは大きな違いです。
現在もオンデマンドで視聴可能
今回初めて、ASMのプロダクトロニカでのハイライトをすべてオンデマンドで見ることができるようになりました。バーチャルなプロダクトロニカブースと膨大なメディアライブラリーは、引き続きオンラインでご覧いただくことができます。https://www.asm-smt.com/en/productronica-2021/