ライン全体でのプロセスの最適化

「ゼロDPMO（100万件あたりの欠陥数を無くす）は、現在も、そしてこれからも、私たちの究極の目標であり続けます」と、ASMPTのプロセスソリューション担当プロダクトマネージャーであるJérôme Rousval氏は断言します。一方、入念な品質保証をすることで、生産性を犠牲にしてはなりません。測定精度を損なうことなく、非常に高速に動作する検査システムをご紹介します。また、製品や製造ライン全体のプロセスを安定させ、最適化する分析ソフトウェアのデモも行いました。」

ハードウェア：Process Lens SPIシステム

ASMPTのProcess Lensシステムは、統計的に最も多くの故障が発生する場所、つまりはんだペーストの印刷プロセス中に威力を発揮します。SPIシステムは、ごくわずかな偏差や傾向も認識します。最大2,000万個の個別制御可能なマイクロミラーを搭載したDLPチップは、各パッドの体積、高さ、ベース面積、形状、位置をチェックします。この機械は、2DスキャンでPCB上の関連領域を検出してから3Dで測定し、従来の機器よりも最大70%高速に動作します。また、最大10ミクロンの分解能により、Process Lensは誤検知を最大80%削減します。

また、この機械の高性能により、異物の検出や接着剤のドットのチェックなど、ユニットあたりの検査時間を増やさずに、追加の測定により多くの時間を割くことができます。もう一つの利点：Process Lens HDが、ソフトウェアで測定分解能を制御できる市場で数少ないSPIシステムの1つです。

ソフトウェア：WORKS Process Expert

今日の検査システムの多くは、いまだに個々の製品と製造ステーションに焦点を当てていますが、インテリジェントなインラインシステムWORKS Process Expertは、運用全体に目を向けています。SPIおよびAOIシステムの助けを借りて、アプリケーションの印刷および実装モジュールには、機械のメーカーに関係なく、標準化されたIPC-2591-CFXインターフェースを介したエラー分析のライン内のすべての印刷および実装システムが含まれます。SPIおよびAOIシステムによって生成されたデータ、およびプリンターと組立業者からのプロセスデータのこの統合的な製品間およびクロスライン分析と視覚化は、個々のプロセスと全体的なコンテキストの両方で欠陥の原因を特定し、積極的に排除するのに役立ちます。これにより、他の方法では検出されないままになる散発的な偏差を絞り込むことができます。

WORKS Process ExpertのQuality Viewerは、AOIデータに基づいて、細かな故障統計を主要業績評価指標（KPI）と自由に選択可能なチャートの形で表示し、ラインのオペレーターがプロセスエラーの原因を見つけるのに役立ちます。WORKS Process Expertからのレポートは、WORKS Command Centerスタッフ管理アプリケーションを介して、それぞれの資格に従って専門家のグループに転送することもできます。

自律的な印刷プロセスの最適化

ASMPTのProcess LensまたはサードパーティのSPIシステムと組み合わせることで、オペレーターの介入なしに印刷プロセスを完全に自律的に実行できます。また、必要に応じて自動オフセット補正やクリーニングサイクルを起動することもできます。ステンシルデータとASMPTの広範なプロセスデータベースに基づく仮想プリントにより、プリンティングモジュールは、関連するすべてのプリントおよびプロセスパラメータを決定し、ステンシルレイアウトの重要な領域をマークし、最初の回路基板がプリントされる前に改善点を推奨します。「フラクショナル実験」により、ソフトウェアが最適化されたステンシルプリントのすべてのパラメータを数分で計算し、ターゲットを絞ったテストプリントを数回行うだけで、プロセス全体がはるかに安定するため、新製品をより迅速に発売できます。

新機能：実装プロセスの最適化

SIPLACEピック&プレースマシンが製造現場で使用されている場合、WORKS Process Expertは、最大のプロセス偏差の原因にオペレーターの注意を引き付け、提案されたソリューションに優先順位を付けます。オペレーターは、それぞれの機械の画面上で、アクションを実行する必要がある場所を簡単に確認できます。これにより、最近では非常に不足している熟練した従業員がいなくても、非常に効果的な方法で実装することができます。

統合データ活用による生産性向上

「自動化を進めても、生産性向上の万能薬にはなりません」とRousval氏は説明します。「データの活用方法には改善の余地が多く残っていますが、多くの工場では未だに独自の方法で行われています。そのため、WORKS Process Expertで実現したデータ統合は、スピード、歩留まり、廃棄物の削減、生産性の向上を実現するためのインテリジェントファクトリーの論理的な次のステップです。」